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研修開発の考え方③~プロフェッショナルシップとは?

Q:――― 一連のプログラムはいわゆる「キャリア研修」のジャンルか?

素直に申し上げますと、
私は自身のサービスに「キャリア研修」という表記を避けたいと思っています。

なぜなら、「キャリア研修」
(キャリアデザイン研修やキャリアディベロップメント研修といったもの)
は、当初から矮小化されたプログラムが施され、その既成イメージが付いてしまったからです。

しかし、キャリア教育を欲するお客様とはつながりやすい言葉ではありますので、
「キャリア研修」という表記をコミュニケーション上使っています。
そして同時に、
キャリア研修に関わる既成イメージを変えていくことが、
自分自身の事業のやりがいであるともとらえています。

私が提供するメインプログラムは「プロフェッショナルシップ研修」と名づけています。
これにはキャリア研修の要素が半分ありますが、
残り半分は、「一個のプロフェッショナル」であるためにどう就労意識をつくるか、
そんなマインド醸成研修です。そして、どちらかといえば、こちらが前面です。

一個の自律したプロであるためには、
当然、自身のキャリアをきちんと形成していかねばならない。
ですから、正確に言えば、
プロフェッショナルシップの中にすでに自律的なキャリア形成が含まれる―――
私はそう考えています。




Q:―――「プロフェッショナルシップ研修」とは何か?

私は、一個のプロフェッショナルであるために必要な基盤意識を
「プロフェッショナルシップ」と名づけています。
(「プロフェッショナルシップ」はオリジナルの造語です)

一般によく言う「プロフェッショナリズム」は、接尾語の“ism”が示すとおり、
その人がプロとしてもつ主義や信条を言います。
これに対し、「プロフェッショナルシップ」は、接尾語“ship”が含むとおり、
プロであること、プロであるための資質を表します。

私は下図のようにプロフェッショナルを3つの階層に分けて見つめます。


Proship01


一番上にくる〈Ⅰ層〉は、専門性能力です。
これはその分野のプロであるかぎり、当然発揮が要求されるものです。

そして、その下にある〈Ⅱ層〉が、プロフェッショナルシップです。
これは、各自の専門性能力がうまく発揮されるベースとなるもので、
具体的には、プロとして働く基本力、態度、マインド、価値観を含みます。

そして、Ⅰ層・Ⅱ層によって成された行動や仕事実績、習慣といったものが、
中長期に蓄積することにより、キャリアが形成〈Ⅲ層〉されます。

私が職業人教育サービスにおいて独立を決意した理由は、―――
世の中には、Ⅰ層だけを切り出した研修は多い。
また、Ⅲ層だけを切り出した研修も多い。

しかし、実のところ、ほんとうの専門性能力も、ほんとうのキャリア形成も、
プロフェッショナルとしての基盤意識〈Ⅱ層〉に手を入れないかぎり成就できない。
しかし、Ⅱ層のような部分を言い出す研修サービス業者はいないし、
組織内でも上司や経営者が教育するということもない。
だから、私がやろう!―――です。


先に触れたキャリア研修なるものの矮小化問題は、
キャリア形成の部分だけを切り出して、
研修メニューとして形をうまく整えただけのサービスが流布したことにあります。
多くのキャリア研修がやっているように、

  ・さぁ、自己の強み・弱みの棚卸しをしましょう
  ・アセスメントツールで適性診断をしてみましょう
  ・Must/Can/Willを書き出してみましょう
  ・5年後の「ありたい自分」を見つめ、キャリアプランを立てましょう
  ・キャリア理論ではこうなっていますよ

……これらが悪いとはいいませんが(私も部分的にこうしたアプローチを採用しています)、
どうも機械的で表層的な感が否めません。

私は、キャリア教育はそれのみを切り出すのではなく、
プロフェッショナルシップという基盤意識を醸成するプログラムの一部として
統合してそれを扱うことが最も自然であり、いきいきとした効果が出ると考えています。


ちなみに、プロフェッショナルシップはさらに下図のように細分化されます。


Proship02


 ・自立性/自律性/自導性とは何か
 ・指導性/協働性と/育成性とは何か
 ・変革性/創造性/賢慮性とは何か

こうしたことを腹で理解して、原理原則イメージとして意識の基盤に置くこと、
その文脈の中で、キャリア形成をとらえる――――
私の展開しようとする「プロフェッショナルシップ」の考えはそういうものです。


もし、この文章をお読みの人事担当者の方々で、
「そうだ、キャリア研修はこんなものではなかったはずだ!」
「新しい角度からのキャリア教育・職業人の意識教育を求めたい!」
―――そんなことに強い意識をお持ちの皆さまがいらっしゃれば、
私はそういった方々と結び付きたいと望んでいます。
私の展開するサービスもまだまだ不完全ではありますが、
志あるお客様と一緒にもっとよいものを探求していきたいと思っております。

 

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□ 
「プロフェッショナルシップ」という人財育成の観点
□ 職業倫理の原点:『ヒポクラテスの宣誓』

□ 「私は~を売っています」
□ 人財の離職と根付きの問題<2> 保持から絆化へ 
□ 人財の離職と根付きの問題<3> 安すれば鈍する 


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