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2008年6月 4日 (水)

『アクティブ・ノンアクション』:不毛な忙しさ

このブログでも以前に紹介した本
『リーダーシップの旅 見えないものを見る』
(野田智義・金井壽宏著、 光文社新書)の中で、
気になる言葉を見つけました。

それは、『アクティブ・ノンアクション』(active non-action)です。
行動的な不行動、不毛な忙しさ、
多忙ではあるが目的を伴う意識的行動をとっていないこと、
の意味を含んでいます。

このコンセプトは、もともとは、
哲学者ルキウス・アンナエウス・セネカが言及した『busy idleness』
(あくせくしながらも結果として何もしないこと:怠惰な多忙
を起点にしているのだそうです。

セネカが約2000年前の人物だということを考えると、
人類の“不毛な忙しさ”問題は、古今東西を貫く一大問題なのかもしれません。

確かに私たちのビジネス生活は
多忙さに追い立てられ、それが止むことがありません。
でも、1日、1ヶ月、1年、3年を振り返ったとき、
何か本当に意義のあることを成しえているのか・・・・?

忙しく立ち振る舞っているだけで、
何か仕事をやって気にはなっているが、
世の中にとってどうでもいいようなことを
単に処理していただけではないか。。。。

私が4年前にサラリーマンを辞めて、独立を決心したのも
実はこの“不毛な多忙さ”生活に辟易したからです。

最後に勤めた会社は、国内では最大規模のIT会社で
そこで管理職をしていましたが、
雑多な指示与え、決済メールの山、
会議のハシゴ、
上部への根回し・プレゼン、
予算管理、労務管理、等々で、
きょうもアウトルックのスケジュールには、
部下からどんどん予定がほうり込まれてゆく。
根本的に意義ある事業を企画して、創造したりする時間が捻出できず、
大会社という機関車を止めずに走ることだけの
管理業務に振り回される日々。

「これでは自分の人生時間がもったいない」
と内なる叫びがこだまし、今日に至っているわけです。

独立後の仕事の日々も、忙しいことにかわりはありませんが、
不毛でないところが、重要な変換点だと思います。

自分が描いた目的のもとに、忙しいのか
(目的=目標+意義・意味)
それとも、
ただ他者に使われるままに忙しいのかでは
中長期のキャリアにおいては、天地雲泥の差ができてきます

金井教授は、冒頭の本の中で、さらに
「忙しいから絵が描けないのではなく、描けないから忙しいだけだ」
とのフレーズを紹介しています。

また、関連するコンセプトとして、
ノーベル経済学者ハーバード・A・サイモンの
『計画のグレシャムの法則』もあげられます。

これはご存知「悪貨は良貨を駆逐する」という
有名なグレシャムの法則をサイモンが応用したもので、
「ルーチンな仕事はノン・ルーチン(創造的)な仕事を駆逐する」
というものです。

“忙しさ”―――-これは、けっこうな問題です。

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