「独立したいのですが」という相談に対し
仕事柄、脱サラ・独立を相談されることがたびたびあります。
しかし、たいていの場合は、さほど本気モードでなかったり、
(私も独立後6年が経ったので)参考に話を聞きたいというレベルが多いものです。
ですが、中には、真剣な人もいます。
そういう場合に、私が贈っている言葉がこれ。
プラハの詩人、リルケ(1875-1926)の『若き詩人への手紙』から:
「自らの内へおはいりなさい。
あなたが書かずにいられない根拠を深くさぐって下さい。
それがあなたの心の最も深い所に根を張っているかどうかをしらべてごらんなさい。
もしあなたが書くことを止められたら、死ななければならないかどうか、
自分自身に告白して下さい。
・・・(中略)もしこの答えが肯定的であるならば、
もしあなたが力強い単純な一語、「私は書かなければならぬ」をもって、
あの真剣な問いに答えることができるならば、
そのときはあなたの生涯をこの必然に従って打ち立てて下さい」。
---(新潮文庫版『若き詩人への手紙』高安国世訳)
この引用箇所は、
ある青年が、自分も詩人になり、生計を立てていきたいのだが、
その素質がありますかと、リルケのもとに作品を送ってきて相談するくだりです。
リルケは、あなたは自分の詩がいいか私や他にたずねようとする。
そして雑誌の編集部にも作品を送る。そして、送り返され自信をぐらつかせる。
しかし、そんなことはやめなさい。
あなたの目は外に向いている。目を向けるべきは自分の内なのだ。
―――こう、リルケは前置きをし、上の言葉に続けていきます。
梅雨真っ只中
うっとうしいジメジメ天気も“慈雨”と思えばまたよし