留め書き〈020〉~太陽の偉大さ
太陽の偉大さは何だろう……?
一、途方もない光と熱であること
一、絶えず惜しげもなく豪勢に与え続けること
一、きょうも変わりなく東の地平から闇を破って昇ってくること
立山連山の山の端が白々と明るくなり、日の出を待っていると、
雄山の頂上から一点の光線が走るや否や、
周辺の岩や草はたちまち長い陰を引き、きらきらと輝き出します。
写真を何枚か夢中で撮っているうち、
ものの数分も経てば陽はもうとっぷり山の上に出ています。
そして、日の出前まで凍えていた身体の
陽を受ける面だけがしっかり温まってきます。
太陽の熱量はすごいものだと感じるときです。
私は沖縄の3月の太陽が最も好きです。
真夏の猛々しい陽ではなく、
人間で言えばまだ思春期の、どことなくはにかみながら微妙で繊細で、
それでいてどこかに芯の入った勢いのある、そんな陽を全身で感じたくて
その時期に滞在することが多いです。
夕陽の写真を撮っている人であればよく知っていることですが、
空焼けは日没直後よりも10分~15分ほど過ぎたほうが美しい色が出ます。
偉人の多くは、死してなお著作などを通じて今の人びとに影響を与えます。
彼らのつくりだす空焼けを現代の私たちはじゅうぶんに観照したいものです。
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