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2008年3月28日 (金)

キャリアを拓く“地頭力” ~『THINK!』誌寄稿

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現在、書店で発売中のビジネス雑誌THINK!』08年冬号No.24

(東洋経済新報社発行)に、8ページの寄稿をしています。

この雑誌は毎号まるごと1つのテーマの特集号ですが、

今回のテーマは「地頭力トレーニング」。

私はその中で、「キャリアを拓く“地頭力”」と題して執筆しました。

その冒頭部分を少し抜き出して紹介します。

◆2つの賢さ ~ お勉強ができる賢さ/世間を渡り抜く賢さ

世の中には、立派な学歴がなくても

思うがままに仕事人生を切り拓いている人がいる。

他方、一流大学・大学院の出身者といえども、

誰もが素晴らしい仕事人生を送るわけではない。

また同様に、IQがいくら高くても、仕事下手、生き方下手の人は多い。

このことはつまり、お勉強問題が解ける賢さと、

働く・生きるをうまく取り仕切る賢さは、

ある面で別物だということです。

この2つの賢さを言い当てる表現が、

いわゆる「アカデミック・スマートネス(academic smartness)」

「ストリート・スマートネス(street smartness)」です。

「アカデミック・スマートネス」は、

知識、分析、論理、計画等による明晰性、合理性を基とした賢さです。

その名のとおり、学校や学術界で養われ、流通する能力形式です。

他方、「ストリート・スマートネス」は、

知恵、経験、勘、目算等による主観力、展開力を基とする賢さです。

その名のとおり、巷でしぶとく生き抜いていくための雑多な知恵です。

1人1人の働き手が、みずからのキャリア(仕事人生)を

切り拓いていくためには、後者、

つまりストリート・スマートネス的な賢さがどうしても必要になります。

なぜなら、人生は、偶発の連続であり、

常に不測の出来事や理不尽な力、とらえどころのない人間関係、

自身の刻々とゆらぐ想い等とファジーに葛藤して、

みずからのキャリア進路を創出していかねばならない営みであるからです。

人生は残念ながら、というよりもむしろ奥深きかな、

初速度と打ち出し角度を決めさえすれば、

後は着地点が計算で確実に予測可能であるようにはできていないのです。

・・・・中略

私はキャリア形成における「地頭のよさ」とは、

自分自身の知識、技能、行動特性、価値観を統合的に連結させ、

みずからが理想的に働くイメージや生きる道筋をひらめかせる、

そういった知恵を生み出す賢さであると定義します。

・・・(以下、記事省略)

◆生きることは、算数ではなく、工作/耕作である

結局、私がこの記事を通して言いたかったことは、

知識や技能(スキル・テクニック)だけで、

つまり上頭(うわあたま)のよさだけでは、

自身のキャリアをたくましく切り拓いていくことはできない。

自らの働き観を思索すること、

理想の状態を想い描くこと、

行動で仕掛け、状況が動いたら、知識や技能を組み替えなおしてまた仕掛けること、

偶発を必然的な出来事として認識すること、

など、頭の地の部分を使ってこれらのことをぐるぐる考え、

状況をつくりだす中でこそ、

キャリアはたくましく切り拓かれる。

働くことや生きることの本質は、算数ではないと思います。

何でも簡単に割り切れて、すべてに答えのあるものではないし、

功利的な結果のみを追うものでもありません。

働くこと・生きることの本質は、言ってみれば、工作/耕作ではないでしょうか。

地頭をギシギシ音を立てながらフル回転して考え、

何らかのものを自分なりに工(耕)作していく。

・・・そんなことをキャリア理論や達人の言葉を引用しながら、

記事としてまとめていきました。

ご関心があれば、一度、雑誌をのぞいてみてください。

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