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2009年5月27日 (水)

「楽(ラク)」と「楽しい」

あるテレビ番組を観ていたら、
タレントの清水國明さんがこのようなことを言われていた―――

「田舎暮らしは楽しいけど、決してラクやないんです。
逆に、都会暮らしはラクですけど、楽しくないですねぇ」。


つまり、田舎に住むと、スーパーや病院、駅などが遠くにある。
電車だってすぐに来ない。
生活はクルマがないと始まらないが、大雪が降れば、雪かきから始めなければならない。
いろいろなことが不便で、そりゃもうラクではないというのです。

しかし、その不便さがかえって楽しいし、人とのつながりもできる。
だからこそ田舎は楽しい。
その一方、都会は何でも揃って、すべてのものが近くにある。
けれど、生活が何か楽しくない、のだそうです。

「楽(ラク)」と「楽しい」は、同じ字を使うが、含んでいるものは違う。

「ラク」は、効率(省力や要領)を求めるが、
「楽しい」は、必ずしも効率を求めない。
ときに、「楽しい」は、無駄や苦労を求めるし、
手間ヒマこそが楽しみを与えることは世の中にたくさんある。

ちょっと考えてもみてください。
あなたが死ぬ間際に、家族に向かってこう自慢できますか?

―――「私の人生は、実に“効率的でラクな人生”だった」と。

それよりも、
「私の人生は、確かに無駄は多かったし、苦労も多かった。
でも楽しかった。みんな、ありがとう!」
と言えたほうが、どれだけいいでしょう。

ラクばかりを追い求める仕事・人生は、スカスカになりますよ。


【すべてのビジネスパーソンへの問い】
□その仕事は効率化の名のもとに要領だけで形を整えたものではないだろうか?
□あなたには、無様(ぶざま)な失敗の連続や修羅場をくぐり抜けてようやくまとめあげた仕事経験がどれくらいあるだろうか?それらは苦しかったけど楽しかった経験だろうか?
□自分が本当に「楽しい」と思える仕事はどんな仕事だろうか?

【経営者・上司・人事の方々への問い】
□働き手に「楽しい仕事」を与えるとはどういうことだろうか?
□あなたの組織では、「ラク」(=効率化)を追求するあまり、「楽しさ」を失っていないだろうか?


* * * * * *

きょう軽井沢(長野県)入りし、5日間、集中的に書きもの仕事をやります。
5月末のこの時期の山はほんとうに生命が満ち溢れていて、
そこに身を浸していると、自分の内にある同じ生命の源も共振し、
エネルギーが呼ばれて出てくる感じがします。

そのエネルギーは、情報を智慧に変える大事なもの。
冬の間に溜め込んだ情報を整理し、編集し、
智慧として芽吹かせ、花と咲かせるには恰好の季節です。

でも、あいにくきょうは曇り空。浅間山のやさしい稜線と対面できず残念。
(明日からの天気予報も晴れが望めず)

きょうの昼飯は、
『峠の釜飯』(言わずと知れた「おぎのや」さんのです)と、
ツルヤさん(これも軽井沢ならではのスーパー)で見つけたPB品のりんごジュース。
(ストレート100%なのでたぶん期待していい!)

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