留め書き〈007〉 ~成長せねばという強迫感
成長は目的ではない。
何かに没頭して、それをやりきったとき、
結果としてそうなってしまうものだ。
4月は進入学の季節ということもあって、誰しも心新たな気持ちになる。
で、真面目な性格の人ほど
「今期からはもっと成長しなければ」と思う。
上司も上司で「もっと成長しろ」と発破をかける。
親は親で「いつまでも子供でいるんじゃない」と口にする。
周囲の同期をみると、何かどんどん成長しているようにも感じる。
すると、ますます「成長、成長、成長しなくては……」と自縛がかかる。
そんなとき、
「なぜ成長しなければいけないのか」とか、
「どう成長すればいいのか」とか、
あるいは
「成長しなければ、このまま置いていかれるんじゃないか」とか
---そんなことを考えてもはじまらない。
「どんな仕事に没頭すれば、成長せずにいられないか」という発想で構えるべきなのだ。
成長は目の前に掲げる目的ではない。
何かに没頭したとき、
何かを乗り越えたとき、
何かをくぐりぬけたとき、
何かをまっとうしたときに、
結果的に、自分の内で「成長」という変化が起こってしまう。
だから、必要なことは、
没頭できる仕事をつくりだすこと。
目線より高めのハードルを自主的に設定すること。
目の前の困難を避けるのではなく、その先の光を信じてしぶとく抵抗すること。
中途半端に放置していることを完成形にすること。