『突破・展開の年』
西伊豆から富士山を望む
2013年、明けましておめでとうございます。
私は毎年、その年のテーマを年初に決めています。昨年は『突破の年』と掲げました。昨年は独立して10年目。ようやく基盤としたい研修事業が基盤らしくなり、基盤づくりだけに安住してはいけない、次のフェーズへと突破していかねばならないという決意を込めてそう名づけました。
そして今年は『突破・展開の年』を掲げます。引き続き突破という未知への仕掛けを怠らないことと、突破の後に状況を展開していく、そこまで要求する年にしたいからです。
私が働く上で、自ら事業を行う上で、つねに念頭に置いているのが「4つのキー・アクション」です。それは───「保持・拡大・突破・展開」。
【保持】
一度受注をいただいたお客様との関係を維持し、リピートを獲得していくこと。
私のもっとも古いお客様は創業年から研修依頼をいただいているお客様で、もう10年のお付き合いになります。担当者が変わっても、「この研修はキャリア・ポートレートコンサルティングに任せよう」と言っていただけるのはほんとうにうれしいことです。
【拡大】
現在のビジネスモデルをベースに新規のお客様を獲得していくこと。
昨年もまた、いくつかのお客様が新たに増えました。東京では大手総合商社、関西では鉄道最大手、ガス、重工業メーカー、製薬メーカー。地方では信用金庫、独立行政法人など。新しいお客様との出会いは刺激的なものです。ただ「拡大」の後には、翌年度からどう「保持」していくか、その努力がはじまります。
上の2つは、既知の世界でのアクションです。ここをきちんとやることは大事ですが、それのみに追われていては真の進化が起きません。やはり未知の、不安定な、リスクのある世界への攻めを続けなければ、ほんとうに強くはなれません。
【突破】
現状とは異なる次元への挑戦を仕掛けること。
私は昨年、「概念工作家」というもう一つ別の側面から自身をとらえ、執筆活動をやり、その結実として『キレの思考・コクの思考』(東洋経済新報社)を出版しました。また、子ども向けのキャリア教育プログラムの開発を行い、7月に福山市立山野中学校(柳井晃司校長:広島県)で特別授業もやることができました。これら本業とは異なる活動を仕掛けることにより、本業へのすばらしい影響が出、結果、自分が見る世界のフェーズが確実に変わりました。
「突破」は「保身の壁」を破る自己との戦い。壁の向こうに何があるかは、破ってみてのお楽しみ。そう考えれば、突破という戦いはゾクゾクするものです。
【展開】
突破の後、その先をぐいぐいと拡げていくこと。
突破の先のその展開エリアは、将来の自分の活動基地になる可能性を秘めています。もし、それまで「保持」「拡大」で得てきたものが、その展開エリアにおいて新しい基軸で再編することができれば、おそらくそれがフェーズアップした次の自分の基地になります。
私は今年、「概念工作」という切り口から、これまで行ってきた職業人向け研修プログラムの大改善をやるつもりです。その融合がうまく進めば、私はそこを基地として、新しい教育のカタチを発信できると思います。
「1年後自分がどうなっているかがわからない」───世の中にはこれを不安がる人がいますが、私はそのまったく逆。2013年、「突破」と「展開」によって、どういう出会いをし、どういう体験をし、どういう心持ちになっていき、結果、年末にどんな自分になっているか、さっぱり予想がつかない。この予想のつかないところが、意欲的に挑戦を起こす人生の面白みだと思います。想定の範囲内に収まる1年後の自分の姿など、想像するに値しないものです。
万人に平等に与えられた24時間365日をどう使うか。ましてや、その人生時間は無尽蔵に与えられているわけではなく、いつか必ず終わりが来る(それは明日かもしれない)。となれば、ほんとうに1日1日は宝石の時間。大事に、しっかりと、味わいながら、中身を詰めながら、きょうという1日を編んでいきたい。