私たちは、生涯、仕事上でどれだけの人と出会うのだろう?
私は大学を卒業して、17年間、会社勤めをやりました。
(そして、5年前から自営業をしています)
4つの会社にお世話になりましたが、
最後の会社を辞めるとき、それまで交換した名刺を整理しました。
ファイルで何冊あったか、合計で何枚あったかは定かではありませんが、
相当の量の名刺を整理しました。
1枚1枚に目を配っていくと、
記憶に残っている人/残っていない人、
今も商談の時の様子がふつふつと思い出されるもの/そうでないもの、
いろいろです。
しかし、冷静に振り返ってみると、私たちは
生涯、仕事上で、いったい何人の人たちと出会うのでしょうか?―――――
基本的に、同じ社内の人間とは名刺交換しませんから、
手元にある名刺の数以上に、私たちは人と交流しているはずです。
ましてや、名刺を交換しない間接的に仕事でお世話になっている人たち、
講演会やセミナーの講師、
書物やネットなどメディアを通して知る偉人、知識人などを含めれば、
私たちは膨大な数の人に接し、
彼らから影響を受け、あるいは影響を与えながら、働いています。
人と人の間に生きる動物だから、“人間”であるとはこういうことなのでしょう。
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「職業・仕事」もまた、人と人との間で行なわれる営為です。
100%自己完結する職業・仕事というのは、極めて稀にしかないでしょう。
創作が自己目的化する芸術家ですら、
師匠がいて、仲間・ライバルがいて、パトロンがいて、お客さんがいる。
それらの人との間で、
ようやく芸術家は自分の仕事(=創作)ができる。
私たちは、人生の長きにわたり、
いやおうなしに人と人との間で働いていかねばなりません。
ですが、その中でもまれてこそ学びや気づきがあり、成長もできる。
他方、職場の人間関係であれ、顧客との信頼関係であれ、
良好で創造的な相互関係を築き上げるには、
間断のないストレスに耐え、自分からのはたらきかけが求められます。
それは、大きな心身のエネルギーを要する作業です。
「よりよく働くためにどうすればよいか?」という問いをみつめていくと、
結局、
1)仕事そのものをどう価値あるものにするか
2)自分の可能性をどう拓くか
3)人間関係・人とのつながりをどう築くか
という3つのことに集約されると私は思っています。
このカテゴリーでは、その3番目のテーマにつき思索していきたいと思っています。