« 私たちは、生涯、仕事上でどれだけの人と出会うのだろう? | メイン | 人事の世界を客観的にみると・・・ »

2008年3月18日 (火)

「成功」と「幸福」は別ものである <上>

年収1000万円の働き手と年収400万円の働き手とでは、

年収1000万円もらうほうが、世の中では“成功者”と呼ばれます。

また、莫大な利益をあげる大企業で働いていれば「勝ち組サラリーマン」とされ、

困窮する中小会社で働いていれば「負け組サラリーマン」とされます。

さらに、年収の上がる転職であれば「キャリア・アップ」ですが、

年収の下がる転職は「キャリア・ダウン」のように思います。

いつしか私たちの社会では、

あまりに定量的、功利的な考え方が幅広く支配するようになったために

他人と自分を量的尺度で比較して、

「多い/少ない」、「勝ち/負け」、「成功/不成功(失敗)」を峻別し、

自分の人生の良し悪しを決めるようになりました。

ですが、ここでじっくり見つめなおしてみたいことは、

他者との比較相対で「多・高・優・強」を獲得した人が、

一般に「成功者」と呼ばれますが、

そのことは同時に「幸福」を保障するものでしょうか?

また逆に、

他者と比較相対して「少・低・劣・弱」である人は、

一般に「不成功(失敗)者」とみなされますが、

そのことはすなわち「不幸」を意味するものでしょうか?

現実社会をみてみると、

仕事やキャリアで「成功」している人が、

「不幸な」生き方をしているケースは多々あります。

同様に、

世間の尺度で言えば、必ずしも働き手として「成功者」とはいえないが、

実に「幸せな」生き方を実現している人は大勢います。

こうしてみると、つまり、

「成功」と「幸福」は別ものと考えるべきなのでしょう。

(その違いについては、次回以降、述べたいと思います)

いずれにしても、このカテゴリーでは、

「仕事の幸福とは何だろう?」、「幸せな働き方/キャリアって何だろう?」

ということについて、考えを深めていきたいと思います。

過去の記事を一覧する

Related Site

Link