“ごちそうではなく、器になる仕事を!”
きょう、今春刊行する2冊目の本の最終校正を終えた。
今度の本は、5月連休明けあたりに店頭に並ぶもので、
「ぶれない自分の仕事観」をつくるためのキーワードを80個集めたものです。
内容の詳細はまた発売間近に本ブログで紹介します。
私は独立後、これで5冊本を出すわけですが
そのいずれもが「仕事観・働くマインド」に関わるものでハウツー・スキルものではない。
ベストセラー志向(もちろん多く売れればいいと思って書いていますが)というより
ロングセラー・定番志向でいる。
作詞家の大御所的存在・松本隆さんが語った言葉で、私がメモ帳に書き留めているものに:
“ごちそうではなく、器になる仕事を”
というのがあります。
たぶんこれは、作詞家というものは、
華やかなごちそうである歌手を、器(=歌詞づくり)として支える存在でありたい
という思いだと解釈しています。
あるいは、流行りの歌い手は入れ替わり立ち替わり出てくるが、
私は時代を横断して、いろいろな歌い手に、
さまざまな歌詞をつくっていく仕事をしたい、という不変の意志の言葉ともとれます。
私も自身の仕事を、「器の仕事」たらしめたいと思っています。
(松本隆さんご本人のニュアンスとは多少ズレるかもしれませんが)
つまり、人はそれぞれに個性を発揮した仕事をする(=ごちそうをつくる)わけですが、
それを支えたり、促進したりするための「観・マインド」醸成の本を出す(=器をつくる)
仕事をしたいということ。
また、時流に合った派手なスキル本・成功指南本(=ごちそう)を志向するのではなく、
時流を超えて重宝される良書(=器)を志向すること。
先月の本『いい仕事ができる人の考え方』にも、みずから書きましたが、
「要するに人物の値打ちだけしか字は書けるものではないのです。
入神の技も、結局、人物以上には決して光彩を放たぬものであると思います」。
―――北大路魯山人
書道も著作もまったく事は同じ。
自分という人物の中身以上に本は書けないもの。
時代の波に消されないほんとうの良書を著すには、まだまだ精進だと思っています。