留め書き〈015〉~「選択の正しさ」について
「“正しい選択をした”人が幸せになる」のではない。
「その選択を事後の努力によって“正しいものにした”人が幸せになれる」のだと言いたい。
私たち一人一人は、常に分岐点にいて、
各々の人生・キャリアは、数限りない選択の連続でつくられていく。
そのとき、
それら無数の選択は、厳密に言えば、選択された時点では、
正しいとも、正しくないとも、どちらでもない。
もちろん、より正しいと思うことを事前に選択するのではあるが、
本当の勝負はその後から始まる。
将来のある時点で振り返ってみて、
「あぁ、あのときの選択は決して間違っていなかった」と思えるように、
事後的に状況をつくっていく---それこそが要なのだ。
選択は「点」であるが、
その後の状況創造は「線・面・立体」である。
仮に「点」の打ちどころを間違えたとしても、
「線・面・立体」で修正していくことは十分可能だ。
さらに言えば、
日頃の「線・面・立体」をきちんとつくっていけば、
その先に訪れる次の選択(=点)は、かなり精度の高いところに打つことができる。
意志と努力の人は、そうやって自らの選択の正しさを強め、
中長期に自らを「想い」の方向に着実に進めていく。
南フランスにて(99年)