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2012年12月 8日 (土)

大人になってからの「学ぶ場」は楽しい


Tbtws02   私は基本的に企業内研修を生業としていて、オープン型のセミナーはあまりやらないのですが、今回は知人である図解改善士・多部田憲彦さんからの依頼を受け、90分のワークショップを受け持つことに。

   師走の土曜9時半から集まった方々は約40名。男女問わず、さまざまな分野からの参加をいただき(中には、沖縄から参加いただいたご夫妻もいらっしゃいました!)、みなさんと楽しい学びの時間を創造・共有させていただきました。
   こうしたオープン型(広く一般から参加募集を行い、参加料をいただく形式)の勉強会が、企業内研修と最も異なる点は、参加者が自分の意思で“自腹を切って”やってくることでしょうか。企業内研修は、社員が人事部が設定した研修に業務として受講するもので、受講費も自己負担はありません。ですから受講態度の面で、明らかに最初から学び意欲の低い人がある程度混じってきます。
   その点、きょうのようにオープン型の勉強会は、学びモチベーションの高い方たちばかりですから、とても雰囲気がよい。私からの講義の時間もさることながら、受講者同士で個人ワークの回答を交換するときの様子や、グループワークの発表時間は、それはそれは意欲に満ちた空気に包まれます。
   私は、学びの刺激によって紅潮した受講者の顔々や、意見交換のはずむ声を周辺で見聞きするとき、「あぁ、大人になってからの学びはかくも楽しいものなんだな」と再認識します。

   子どもの学びは、小学校までは純粋に好奇心に根ざした楽しいものだったのに、いつしか中学、高校となるうちに、受験対策のためのテクニック習得作業となり、「学びの楽しさ」が失われていってしまう。
   そして、どこかに就職して社会人となっても、職場での学習といえば、業務処理のための知識・技術習得が第一優先にきます。たいていはビジネスで勝つための売上アップ術だったり、交渉術だったり、ともかく攻撃型・効率化型の学びが多いものです。

Tbtws01   そんな激流の中で、はたと立ち止まり、自分のほんとうの興味・関心に耳を傾ける。そしてそこから「これが学びたい」という声が聞こえてくる。で、会社の直接的な業務処理とは異なった次元の理由で、勉強会やセミナー、スクールに行って、学ぶ場に訪れる。自腹でも惜しくないと思える。休日の朝でも早起きして行こうと思える───そうやって求める「学びの場」は何ともすがすがしい。

   私は社会人になってから2つの大学院(一つは米国留学、もう一つは国内)に行きました。いずれも何百万円という私費を投じて入学したものです。しかしそれはほんとうに自分が学びたいと思ったことなので、お金のことなど問題ではありませんでした。自律的・自発的に勉強するテーマを選び出し、教授や同僚学生の力を借りながら、自分の知識体系をつくっていくという経験は、そのときになってようやくできたものです。

   いずれにしても、大人になってからの学び、学びの場に足を運ぶことは楽しい。

   私はきょうのワークショップで、あえて「明日からの仕事に即効で役立つ図解スキル」という角度では内容を組みませんでした。「仕事という概念を絵でどう表現するか」という、抽象曖昧だけれども根本的な問いを立てて、みなさんどう考えますかと投げかけをしました。「大人になってからの学び」は、こういった根っこに横たわる大きな問いに対して、皆が洞察を深めあうことがふさわしいと思っているからです。
   そしてその期待に違わず、参加者のみなさんからはとてもよい絵がさまざまに出てきました。いつもながら思うのですが、こうした勉強会をやって一番勉強できるのは、教える側(=講師)。きょうもたくさんことを学ばせてもらいました。

Tbtws03
「図解思考ワークショップ」風景
12月8日:東京・コクヨ品川オフィスにて






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