ゲームの3人 ~枠の中の人/枠をつくりなおす人/枠をはみ出す人
◆飲み会から足が遠のく
仕事関連の人たちと事業や仕事に関して語らう場は、
アイデアミーティングやらランチ商談やら、飲み会といろいろあります。
近年、私は、どうも会社員(特に大企業勤め)の方々とのミーティングや飲み会に関して、
どんどん足が遠のくばかりです。
それに代わって、
独立自営業者やベンチャー・起業系の方々とのミーティングや飲み会は
楽しいものがあり、「いっちょ、行ってみるか」という気が湧きます。
それは何故か・・・?
それは、自分の立ち位置が変わったからです。
5年前まで私もとっぷり大企業の中のサラリーマンをしていました。
そのころは、企業という一種守られた“釣り堀”の中で
上手に釣りをしていればよかったのです。
しかし、今は、個人自営業者として、囲いのない大海原に小船ひとつで出て、
独りで漁をする身となりました。
企業がやらないことを商品・サービスとして生み出していかないかぎり
受注はどこからもない。
つまり、既存の枠の中では、食う種がない。
いやがうえにも既存の枠の外に出て、食う種をつくり出さねばならない状況です。
◆3人の達者
ゲームには3人の達者がいる。
第1の達者は、決められたルールの中で優秀な成績をあげる「グッド・プレーヤー」。
これは、「枠の中の人」です。
ここではさほどのリスクは生じません。
そして第2に、ゲームルールをみずから改良していって
ゲーム自体をさらに面白くしようとする「ルール・メーカー」。
これは「枠をつくりなおす人」です。
ここでは相応のリスクが生じます。
第3は、そのゲーム盤の外に出ていって、そこに
全く違うゲームをつくってしまう「ニューゲーム・クリエーター」です。
これは「枠をはみ出す人」です。
これをやろうとすると、かなりのリスクを背負わねばなりません。
◆「グッド・プレーヤー」ごっこがよく見える
私も17年間のサラリーマン時代はそうでしたが、
どうも企業の勤め人というのは、既存の枠の中で、
いかに比較相対で成果を出して認められるか、
いかに後ろ指刺されないよう給料分働くか、
いかにそこそこの年収と立場を確保していくか、などが意識の中心になりがちです。
つまり、「グッド・プレーヤー」ぶることに腐心する日々。
私は、すでに枠をはみ出たところで、
泥臭く「ニューゲーム・クリエーター」に立ち位置を変えたために、
サラリーマン諸氏の「グッド・プレーヤー」ごっこがよく見えてしまう。
だから、飲み会などがつまらなくなったんでしょう。
もちろん、
企業内のサラリーマンすべてが、枠の中でモゾモゾ動いているだけとは言いません。
中には、企業内起業で意識を高く持って頑張る人もいれば、
血の気がありあまって、スピンアウトする人も大勢います。
(私はそういう人をみると敬服します)
いずれにせよ、3人の達者のどれを志向するかはその人次第。
釣り堀で10匹、20匹釣り上げることが楽しいという人もいるし、
独り海に漕ぎ出でて、たとえ1匹も釣り上げられないことがあっても
それこそが釣りの醍醐味という人もいる。
幸福観は人それぞれです。
そして味わう幸福の質と量も人それぞれです。